・・・2016.04.17更新
私が花屋の世界に足を踏み入れたのが今から約20年前。
当時、最大5店舗を展開する花屋だった。
花の引き売りからスタートした創業者の吉川氏は百貨店とのテナント契約を足がかりに事業を拡大。
花屋の枠を飛び越え、造園、土木、建築の分野で会社を大きく成長させていった。
私が入社した頃、すでに花部門の運営は現場に任せており、時折ふらっとお店に顔を出すくらいだったが、その小柄な体とは裏腹に「昭和の大社長」を感じさせた。
その吉川氏が亡くなった。
眼鏡の奥のギラギラと鋭い眼光は相手の心を見透かし、萎縮させる反面、笑うととても優しく、不思議な安心感があった。
決断が早く、常に我々のはるか先を走っている印象。
怒ると何を言っているのか聞き取れない。聞き返すな。感じろ。
いつでも開けっ放しの社長室には立派な椅子や豪華なソファーがあるのに、いつ訪れてもカーペットにあぐらをかいている。「おぅ!ちょっとここ座れ!」
常に将棋の盤がカーペットに鎮座しており、訪れる4回に1回は誰かと指している。(決断力はここで磨くのか?)
うどんが好きで、初めて「甚五郎」に連れていって頂いたのは社長である。
タバコも大好き。咥えると誰かがすかさず火を点ける。
豪快。宴席で店員さんを呼ぼうとした私の後ろから「パーン!パーン!」と大きな柏手。「はーい!ただ今!」と店員さん。「これでいいんだよ」とニッコリ社長。
自身で花を売っていた時代、なかなか売れない盆栽の向きを180度変えたらすぐ売れた。「そういうことだ!」とドヤ顔の社長。社員全員、100回は聞きました。
入社して3年たった頃、いつものようにフラッと店を訪れた社長に近所の喫茶店へ呼びだされた。
「配置換えだ!これからお前が全店仕切れ!やるんだ!」
頼んだアイスコーヒーは最後まで喉を通ることはなかった。心を映す鏡のように、じわじわと汗をかくアイスコーヒーがそこにあった。今でも鮮明に憶えている。
思えばこの出来事が人生の岐路であり、その後の貴重な経験が私の花屋経営の礎であったことに間違いは無い。
だからこそ社長には(文句もちょっとはあるが)とても感謝している。
退職して約15年、久々の対面がよもやこのような形になるとは思いもしなかった。
どうか安らかに。
あなたの子達で花屋オーナーが何人も生まれました。
そしてその成功こそがあなたへの最大の恩返しと、日々精進していきます。
・・・2016.04.08更新
3月の思い出も今日でおしまい。
この3月の最終週は送別のご注文が後を絶ちません。
そんな中、某議員さんの就任祝いがあり、スタンド花8基のご注文をいただきました(ありがたや (-人-)
お花屋さんの中には、「どうせ2~3日飾るだけだから」と、お店の売れ残りの花で作るところもあるとか無いとか・・・
しかも今回の就任祝いは当たり前ですが2~3日どころか、なんと2~3時間!
パーティが終わればすぐ撤去なんです。
お店の在庫が一掃できますね!って?
違います・・・
恐らくこのスタンドのお花達は、パーティ出席者の方達がお持ち帰りになるでしょう。
ですからフレッシュなお花でお作りしないと、持ち帰った方達が花持ちに失望されてしまうのです。
そんな事を考えながら笠井さんが一人で頑張りました(笑)
おつかれ!!
案の定、撤去の際には1本残らずお持ち帰りいただいたようです。
中には桶ごと持って帰った強者がいたとか・・・
桶は返してくださ~い(泣)
・・・2016.04.05更新
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3月を振り返ってます。
所沢市の造園組合さんより、所沢市役所のエントランスに桜の活け込みの依頼がありました。
所沢市が毎年主催する「国際交流フォーラム」というイベントを飾る会場装花で、昨年までは造園組合さん達が根巻きの桜を使っていたみたいです。
さっそく川越市場の枝もの担当、杉浦君と生産者さんのもとへ!
川越の富田さんは枝もの専門の生産者さんです。
「設営時期」「その時の開花具合」などを注文すると、ピタリと調整してくれます。
何種類かある桜の中から、今回は「敬翁桜」を選びました。
これが2月の終わりごろの話です。
そこから開花調整を行ってもらい、3月7日の入荷時には3分咲きと、見事に仕上げてもらったのですが、20℃越えの陽気が桜を襲い、3月10日の設営時にはこんな状態に・・・
いやいや、自然には勝てません。
でも屋内で雨風に当たらないため、1週間後の撤去の時も綺麗に咲いてました。
お客さんの反応もとても良かったようです。
よかったよかった!
・・・2016.02.28更新
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球根切花のスペシャリスト、千葉県は茂原の三宅花卉園さんより、魅惑の球根切花アソートです。
川越市場の屋代くんが頑張って取り寄せてくれました。
まずは原種系のアルストロメリアです。従来のアルストロメリアに比べ、小ぶりで趣があります。
こちらはラケナリア、よくムスカリと間違われます。
この花には名前が付いてなかったのですが、原種系のグラジオラスに似ています。
アレンジメントのラインフラワーとして重宝しそうです。
最後にティコフィレア科に属するゼフィラ(左)とシアネラ(右)
野趣あふれるラインナップでお客さんの関心を集めますが、お値段も結構するので使いどころが難しいですね。
自身も栽培経験があるので、育成の難しさと希少性を鑑みると決して高くはないと思うのですが・・・
なかなか取り扱いの難しいお花達です。
・・・2016.02.01更新
旦那様の定年に際し、勤続年数と同じ本数の花を贈りたいという奥様からのご注文でした。
ここで白羽の矢が立ったのが「カーネーション」です。
毎度おなじみ、鈴木花卉園さんから毎週届く「プレミアム10品種ミックス」の中から、黄/オレンジ系中心に42本です。
母の日以外でこんなにたくさんのカーネーションを使った花束はなかなかありませんね~
どうしてもカーネーションというと母の日のイメージがぬぐい切れないのですが、「そんなことないですよ~」と日々布教活動しています。
豊富な花色、花持ちの良さ、価格など、バラと並び賞賛したい主役級の花だと思います。
先日、鈴木花卉園さんとも話しましたが、「いっそのこと母の日にカーネーションを贈る習慣を止めにしよう!そうすれば日常のカーネーション需要がもっと増えるかもしれない」なんて話しをしましたが、まあせめてバラやガーベラなどの周年生産の花の中で、年毎に持ち回りってのもいいんじゃない?と思いました。