・・・2017.09.10更新
買参人(市場に花を買いに来る人です)の為に、せっかく内田さんが川越市場に届けてくれたサンプル。セリ人から「市場だと品質管理が難しいから・・・」という理由で頂いてきました。なのでレポート。
こちらは「カーマインクラシック」
京成バラ園芸さん2016年の品種です。花弁中心が見事4部屋に分かれたクォーターロゼット咲きですね。花色はややアンティーク調、クラシカルな印象です。決して可愛いピンクではありません。大人っぽいイメージです。普通の生産者さんは作りたがらない色ですね。内田さんナイス!かれこれ10日くらい経ちますが状態はとても良いです。
つづいて「ヴァニティールージュ+」
品種名の後ろに「+」マークはオランダの種苗会社「LEX+社」の品種である証!・・・だったのですが、ずいぶん前にオランダのアグリバイオグループに買収され、社名が「デュメンオレンジ社」に変わりました。品種名の後ろに「+」マークは存続するのでしょうか?
そんな話はさて置きこの赤バラ、この時期にしてはなかなかのサイズ感ですね。ちょっとオヘソが見えてますが、まあサンプルということで・・・色はやや深め、ベルベットな光沢があります。低温に触れれば一段と深みを増しそうです。ナイスです!
実は当店の大好きな「ヴァーグ+」が改植で、当分入荷がありません。それに代わる赤バラを色々と試していますがなかなか・・・内田さん、ヴァーグはいつ頃になりそうですかね~(泣)
・・・2017.07.22更新
「松井ゆうすけ」という男
上山田ホテルでは7人の相部屋で、その中に名古屋花き市場から来た彼がいました。
(コサージュ会の懇親会の後、2次会での彼です)
名古屋花き市場ではトルコキキョウ担当ゆえに今回長野に飛ばされた模様。この男、一見チャラそうに見えるが、実はかなり熱い。
ホテルへは2時間前にチェックイン。旅行じゃないのでipad使って明日のセリ前販売を頑張る。懇親会では乾杯の音頭の後、すかさず農家さんの元へ行きお酌。名古屋花きをアピールしまくる。
花の都は愛知県で、周辺の中部関西大手市場にへりくだらない反骨精神。中央市場クソくらえ!入社5年目の28歳だけど市場年齢38歳くらい。
品物を見なくても「松井が勧めるなら大丈夫」古臭いけどそんな花屋さんが彼に付いてます。
「神田さんて俺が買ってくれって言ったら買ってくれますよね?神田さんはそんな感じの人です。んで俺はその期待を決して裏切りませんよ。」なんて28歳が言えるかね・・・
花き市場において優秀な若手不足のなか、なかなかの逸材です。そんな松井くん本日の名言(失言)
「コサージュが良いのは分かる!でもぶっちゃけボヤージュでよくねぇっすか?」
あ~言っちゃったよこの人(笑)
※ボヤージュ系トルコキキョウとはフリルの花弁が魅力の大輪八重咲品種です。コサージュ系ほどではありませんが、ボリュームがあり豪華な花形が魅力のトルコキキョウです。
・・・2017.07.21更新
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長野は広い・・・千曲市を出た我々が本日最終的に目指す上伊那郡まで2時間弱。そういえば長野県て確かカーネーションの生産では日本一。その中でも「南信州ハウスカーネーション組合」は、確か県内生産の1/3を占めていたはず。川越市場にも数名の生産者の方が出荷しておりますが、高齢化が進み、規模も縮小気味です。
川越市場にはこの時期、国産のスタンダードカーネーションの入荷が少ないので、関根君と飛び込み営業をすることに。とある1軒の農家さん。15市場に出荷する大規模生産者さんです。忙しい中、快く話に応じてくださいましたが、同じ地区で川越市場に出荷されている農家さんがいる手前、ちょっと出しずらいとのこと。まぁ話はわかりますがね。
さらにそれだけが理由ではなく、ここ最近の良天続きでハウス内のカーネーションが一斉に咲きだして収穫が追い付かない状況。ハウス1棟丸々見捨てる羽目になったとか、クオリティの高い輸入カーネーションの台頭で価格も伸びないとか、若い労働力を求めて海外からの研修生に期待するも教育にかなりの時間と労力がかかるなど、かなり目一杯のようでした。ふと見渡せば慣れない日本で収穫作業に励むオリエンタルな雰囲気を纏う女性スタッフ達や収穫に間に合わず廃棄されたカーネーション達・・・なんとも言えない気持ちでハウスを後にしました。このように生産現場を見るたびに、花の見た目の綺麗さの中にも各産地の苦労や想いが詰まっている事を我々はしっかり咀嚼して販売しなければと改めて感じるのです。
気を取り直して上伊那へ向かいます。目的地である上伊那郡の手前、駒ケ根市はソースかつ丼が名物ということなので昼食。なかなか美味かったですよ。
お店を出て10分くらいでしょうか、本日の最終目的地、アルストロメリア生産の「ミヤシタフローリカルチュア」さんに到着です。宮下社長が笑顔でお出迎えです。
着いたらちょうど選花作業中でした。長さ、花付きの具合などで選別をおこないます。
選別後、すぐに保冷庫へ。宮下さんちのアルストロメリアは、品種(色)がミックスで箱詰めされているので、少量多品種を好む花屋さんはとても助かります。
しかも、ぼや~っとした色が多いアルストロメリアの中で、宮下さんの選抜した品種はハッキリとした色合いも多く、のはなでも好んで使わせていただいております。
続いてハウス内を見学させていただきました。宮下さんちのハウスはかなりハイテク化が進んでいるとのこと。聞けばハウスの管理はほとんどが機械化。温度管理はサーモセンサーが担い、ハウスの遮光や開閉などはほとんど人の手を煩わせません。湿度管理もアルストロメリアには重要課題で、説明を受けている最中にもハウス内には自動でミストが放出されていました。
ハウスがたくさんある農家さんの場合、たとえばハウスの開け閉めだって一苦労です。湿度が高いからハウスを開けようと思ったって、最初に開けたハウスと最後に開けたハウスとの間に発生したタイムラグによっては加湿ダメージにも差が出ます。機械化されたハウスであればそういった心配もなく、人間は収穫や選別など、人の手でしか出来ない作業に注力できます。莫大な投資ですが、生産品の高品質化を考えた時に、この機械化は素晴らしい決断だと思いました。それでも宮下社長はこう言います。「10年前にオランダに営農の見学に行ったがすでにここ以上のレベルだった。従業員のハサミにはカウンターが内蔵され、何本切ったかなど、収穫本数を正確に管理し、目の届かない実働勤務実態ですら把握している。日本は営農や流通で世界から10年遅れをとっているね。もう追い付けないよ・・・」ぐぬぬ・・・
そういえば宮下社長からハウスの説明を受ける前から気になっていたことがあり、すんげぇ小さい事なんですが、それが「ミヤシタフローリカルチュア」の生産高品質化とブランド力に少なからず寄与していると感じました。それは何かというと、単純に「綺麗」な職場であるということ。ハウスの中も外も、作業場の中も外も、今まで見てきた生産者さんの中で一番綺麗でした。さらに庭木の手入れが行き届いていたり、道具の整頓など、ひとつひとつ上げればどれも些細なことなのですが、全体を俯瞰して見た時に「いい花が作れるわけだ」と腑に落ちるのです。
※こんな写真撮ってすんません(汗)
今回の産地回りで、日本の切り花生産の未来予想図がなんとなく見えてきた気がします。宮下さんありがとうございました。最後に宮下さんの新作を・・・
ブライズメイドで一躍有名になった、レジア(段咲き)の黄色です。名前は「リオ」と申します。8月のお盆明けに出荷できそうだとのこと。少々値が張りますが、のはなでも入荷予定ですのでお楽しみに。(もうちょっとだけ続く)