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  • 河口湖別荘植栽・4

    ・・・2015.10.22更新

    河口湖3日目です。

    お施主さんのご要望「玄関ポーチを下りたところを何とかしたい」についてです。
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    ゆくゆくはお施主さんのご要望である「枕木のアプローチ」ができることを想定しながら色々と考えました。お施主さんとも顔を突き合わせながら色々と意見を出し合い、ヨーロッパの石畳風にすることになりました。

    選んだ素材は「ベルジャン・スライス」といって、ベルギーの首都ブリュッセルで実際に使われていたアンティークの石畳です。世界遺産の街のアンティーク素材と聞いただけで良さそうに思いますが、実際に手にとって見ても、ひとつひとつ表情が違い、歴史を感じさせる風合いがとても素晴らしいと思いました。

    そしていよいよ工事です。事前に石畳を貼る箇所にコンクリを打ちました。前にも書いたように地表から60cm下まで凍る世界です。凍るとどうなるか?皆さん缶ジュースを冷凍庫に入れたまま忘れたことありませんか?膨張しますよね?あんなイメージです。石畳といえど地中の水分が凍って持ち上がってしまいます。ですから凍っても持ち上げられないように頑丈にコンクリを打ち、その上に石畳を貼っていくのです。
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    建設会社さんに地元の左官屋さんをつけてもらいました。とても良い職人さんで仕事も速く、初めてお会いした職人さんとは思えないくらいの連携で作業ができました。
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    こちらは「定規貼り」と呼ばれる貼り方です。外枠から貼っていくことで内側が比較的簡単に貼れるやり方です。

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    完成です。
    濡れた感じもいいですね。
    この素材にして良かったです。
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    来春、目地に砂利を入れます。
    なぜ来春かというとこれからの時期、上空からカラマツの葉が落葉し、あたり一面に積もってしまい、せっかくまいた綺麗な砂利からそれらを取り除くのが面倒だからです。
    吐く息がうっすら白い河口湖より今回はここまでで。

    <facebookからの閲覧ですと画像が1枚しか表示されないため、文脈と画像の整合性がとれません。恐れ入りますがfacebookからご覧になっている方は本分の最後にあるURLからホームページへお越しください>

  • 河口湖別荘植栽・3

    ・・・2015.10.21更新

    河口湖2日目です。
    お施主さんのご要望である「色々な樹木と色々な植物を植えて欲しい」ですが、これに関しては少し慎重にいかなければなりません。
    というのも、ここ河口湖周辺は寒冷地、冬季は氷点下の世界となります。耐寒性の無い植物を植えれば凍死確実ですので、十分な検討が必要です。
    現場周辺を散策して、イケそうな植物や、近隣住民への聞き込みからダメそうな植物など、情報収集して臨みます。
    まず建物の正面にシンボル的に植えたのが「ヤマボウシ」お施主さんの要望もあって植えました。
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    大きくなるのが楽しみです。
    続きまして「スズランノキ」こちらは世界三大紅葉樹にも選ばれる一本で、ちょうど花がスズランに似ているのでそう呼ばれます。これくらい大きいサイズはなかなか無くて、生産者さんの畑を歩き回って見つけた時は思わずガッツポーズしてしまいました。
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    周囲を松の木立ちに囲まれた別荘で、野草は多いものの、これといった雑木もないので、特に紅葉の綺麗な落葉樹を中心に選びました。
    ・カエデ:イロハ
    ・カエデ:枝垂れ(紅)
    ・カエデ:枝垂れ(青)
    ・フォッサギラ:マヨール
    ・柏葉あじさい
    ・ブルーベリーなどなど。。。
    撮影に耐えられるくらいの姿になったらカメラに収めようと思います。
    今日はこのへんで

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  • 河口湖別荘植栽・2

    ・・・2015.10.20更新

    昨日に引き続き河口湖です。
    お施主さんのご要望は次の通りです。

    ・別荘の北側に目隠しがほしい
    ・おしゃれな立水栓がほしい
    ・色々な樹木と色々な植物を入れてほしい
    ・玄関ポーチを下りたところを何とかしたい
    ・枕木のアプローチを作りたい

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    まず北側の目隠しですが、確かにプロパンガスや室外機などが集中していたり、3部屋ある客室の窓から隣地が丸見えでした。隣地と言っても50mくらい離れていますが、お互いのプライベートエリアを確保するうえで必要ですね。
    目隠しなのでここは冬でも葉の落ちない常緑樹を列植しようと思います。
    選んだのは「シラカシ」日本のカシの仲間では耐寒性の強い品種です。

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    続いておしゃれな立水栓ということですが、ガルバリウムを使ったモダンな建物と周囲の自然とをうまく調和できないかな?と思い、こんな感じにしてみました。
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    眼を引く赤い水栓柱は外壁のガルバリウムと相性がよさそうです。
    信楽焼きの黒い水受けの下に、崩したゴロタ石を配置し、周囲に植栽を行う予定です。
    隣の樹木は「ツリバナ」です。成長すれば風情のある赤い実が楽しめます。
    今日はひとまずここまで。

  • 河口湖別荘植栽・1

    ・・・2015.10.19更新

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    公私共に大変お世話になっているお客様が河口湖に別荘を建てられたとのこと。遊びがてら最初に現場に伺ったのが6月後半、埼玉はすでに蒸し暑く、圏央道~中央道でわずか1時間半で着く河口湖に、さして涼など期待もしていなかったのですが、着いてみてあまりの涼しさにとても驚きました。周囲は松の木立に囲まれ、国道からわずか30秒たらずの場所とは思えない静けさでした。聞けばこちら、標高800mで凍結深度(冬季に地面が凍る深さ)が600mmにも達するとのこと。この涼しさにも納得です。

    なぜ今回こちらの別荘にお邪魔したかと言うと、実はのはなを始める前にお庭造りや庭木のメンテナンス仕事をしていたこともあって、この別荘のガーデンデザインを依頼されたのです。しかしお店の仕事に集中したいという事と、なにせ道具も無い訳ですから、最初はお断りするつもりでした。しかし、都合10年以上のお付き合いをさせていただいているお施主さんたってのご希望と、別荘を建てられた建築会社さんの協力も得られるという事から、お店の定休日のみの作業という条件でお受けすることになりました。

    というわけでこれより「河口湖別荘植栽」スタートです。
    帰りに地元で有名な行列のできるかき氷屋さんで頭を冷やそうとしましたが、頭にキーンとこないかき氷で有名なお店だったようです。

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  • 狭山台児童館の秋植栽

    ・・・2015.10.19更新

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    東京ディズニーリゾートの植栽は我々プロからしても眼を見張るものがあります。

    かみさんとしばしば(もっぱらディズニーシーに)訪れるのですが、アトラクションには一切触れず、1日中ただひたすら植栽や様々な造形を見て歩きます。おかしなゲストに見えるでしょうが、何度訪れても新鮮で心奪われます。

    それは樹木のチョイスであったり、不自然に感じないメンテナンスの具合や植栽の色合いなど、他のゲストがディズニーワールドに夢中になれる魔法のひとつと言えるでしょう。

    ディズニーの植栽のすごさはあらためて紹介したいと思いますが、先日、近所の児童館の植栽でそんなことを考えながら作業をしていたら、作業後にお施主さんにずいぶんと気に入っていただきました。これもディズニーの魔法でしょうかね。

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  • かぼちゃ

    ・・・2015.09.27更新

    秋のお彼岸にはたくさんのご来店をいただきましてありがとうございました。

    今年はシルバーウィークのおかげでご来店のお客様が分散傾向にありました。

    じっくり丁寧な接客を心がけたい当店としては、なかなか有難いお彼岸でありました。

    さて、お彼岸が終わるとこれといったイベントもないので、1ヶ月以上先のハロウィンを意識して、無理やりお店をそれらしくするお花屋さんも少なくないでしょう。

    のはなでもさっそくディスプレイチェンジです!そう!ハロウィンといえば「かぼちゃ」ですね。

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    こちらのかぼちゃは北海道からやってまいりました!

    店内も一応それらしく・・・

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    ハロウィンだからといって特に花が売れるわけではないのですが、このハロウィンの色合いがなんとも秋らしくて個人的には大好きなイベントです。

  • I love carnation

    ・・・2015.09.16更新

    日本で消費されるカーネーションの約半分は海外からの輸入品です。そしてその輸入カーネーションのうち65%ほどは南米コロンビア産です。以下中国、ベトナム、エクアドル、トルコと続きます。なんでも日照時間が大変長く、長日性のカーネーション栽培に適しているのだそう。長日性とは日照時間が長くないと花芽を形成しない性質の事を指し、反対を短日性といいます(ポインセチアやカランコエなどが短日性植物です)コロンビアはオランダについで世界第二位の切花生産国ですが、カーネーションに関しては世界一の生産量を誇ります。一昔前は「輸入切花」といえば安かろう悪かろうの代名詞でしたが、近年、生産地の営農指導や意識の向上、物流の効率化とスピード化、販売経路の拡大など関係各所が努力をし続けた結果、国産のそれに勝るとも劣らないものとなりました。日本において未だ意識の低い生産者はクオリティ面で完全に追い越されている現状です。のはなでも輸入カーネーションの取り扱いは多いのですが、その一番の理由が魅力的な品種が多いこと。二番目をあげるなら粘りを感じる花持ちの良さ。三番目を言わせてもらうなら低コストです。地球の裏側からやってくる訳で、もちろんキズやシミ、カビなど品質面の問題もありますが、近年その事故率もずいぶん低下しているように感じます。

    カーネーションというと母の日の花を連想しがちですが、1年中入手できる安定性と品種の多さや花持ちの良さから、バラに並ぶスター性があると感じています。特に輸入カーネーションは前述の通り魅力的な品種が多く、のはなでは絶妙な色合わせに欠かせない存在となっており、母の日以外でも日常的に推している花材です。以下、一昨日入荷したコロンビア産カーネーションの紹介です。

    まずは「ハリケーン」
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    続いて「マリポサ」
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    最後に「アミコラベンダー」
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    日本人として多少の焦りを感じる方もおられますが、そこはモノ作り大国日本!国内にも優秀なカーネーション生産者さんはたくさんいらっしゃいます。これから冬に向けて徐々に出荷も始まるでしょう。当ブログでもどんどん紹介していきますのでお楽しみに!ちなみに日本にCARNATION(カーネーション)というロックグループがいまして、一時コロンビアレコードに所属していたのは偶然なんでしょうか?

  • 切花入荷情報

    ・・・2015.09.15更新

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    JA利根沼田片品支所から秋色アジサイです。

    20年くらい前、まだ利根沼田農協だったころに資材の営業でお邪魔した記憶があります。もともと片品村や利根町あたりは大根の生産が盛んですが、複合化品目としてアジサイの生産にも力を入れているそうです。今ではアジサイ部会もあり、「水無月」や「アナベル」「柏葉」「ヘイズスターバースト」など品種も充実してます。のはなでもGardenで何種類か育てていて自給自足を目指していますが、なかなかプロのようにはいかないですね〜

  • お庭メンテナンス(剪定)

    ・・・2015.09.11更新

    かつて造園の仕事に携わっていた事もあり、今でもごくごくたまにお庭のメンテナンスをやらせていただいています。

    今日は地元のK様邸で、シマトネリコという木の剪定をおこなってきました。もともと鉢植えだったシマトネリコの水やりが追いつかず、安易に地植えしてしまった結果、「天空の城ラピュタ」みたいになってしまいました。

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    実は数年前から、毎年10月中旬頃に手入れさせていただいているのですが、今年はなぜが木の内側の葉がパラパラと落ちだし、毎日の掃除が大変ということもあって今年は早めにお声がけいただきました。剪定後の写真がこちら。

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    前述の通り、内側の葉が落ちてしまっているので少し寂しくなりましたが、ここから新芽が吹いてくるので、もう少し賑やかになるでしょう。

    ここで何故シマトネリコの葉が真夏にパラパラと落ちてしまったのかを考えたいと思います。実は同じ敷地に「常緑ヤマボウシ」という木も植わっていて、いつもこの時期は赤い実がたくさん付いているのに、今年はなぜかひとつも付いていません!   はは~ん・・・

    「謎はすべて解けた!」

    その前にまず「人が汗をかいて体温を調整するように植物も葉から水分を蒸散して葉の温度調整をする」というメカニズムを覚えておいてください。

    この夏は異常な猛暑でした。しかも長いこと雨が降らず土もカラカラでした。このK様邸はご覧の通り高台にあるので、他よりも水はけがよく、地植えの木ですら過酷な状況であったと推測されます。土がカラカラで根からの水分供給が乏しくなり、それなのに葉からはガンガンと水分が蒸散されるとどうなるか?ナント植物のもつ防衛本能により、自ら葉を落として水分の需要と供給のバランスを調整するのです。葉を落とすことで失われる水分を減らし、木自体が枯れる事を未然に防ぐのです。すごい!そして常緑ヤマボウシの実が付かない事もこの水不足が関与しています。それは実を形成するには多くの水分を必要とするからです。おそらく花後に実を付けたのでしょうが、水分不足で育たずに落果したものと思われます。あっ!あくまで推測ですよ。でも確かに植物が辛そうな夏でしたよね。

    でもこんなにばっさり切っても来年には・・・

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    またこうなります。(-人ー)

  • 薔薇の水揚げ(のはなの場合)

    ・・・2015.09.07更新

    今日はバラの水揚げについてです。

    水揚げってなぁに?という方の為に、ざっくりと説明。。。

    生産者さんが切花を収穫し、市場に出荷してからお花屋さんに入荷するまで約1日~2日くらいかかります(実際もっとかかるものもあります)普通に考えてフレッシュな状態ではありません。今でこそ「湿式輸送」と言って水を吸いながらの輸送が増えてきましたが、一昔前は「乾式輸送」すなわち吸水無しの輸送がメインでした。だからお店に着いたお花はグッタリ・・・そんなくたびれたお花を再びシャキンと復活させる技を俗に水揚げと言います。水揚げの方法はお花の種類によって、またはお店によっても様々で、これといった正解はありませんが、しっかりと水が上がればそれが正解です。

    まず入荷したばかりの状態、葉もトゲもびっしりです。
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    私が初めて勤めた花屋では、まず葉をサッと取り除いたあと、「トゲ取り」というステンレス製の器具で茎をしごいてトゲを取っていました。早く確実に取れますが茎は傷だらけです。試行錯誤の末、のはなでは手でしごいて葉とトゲを一気に取ります。軍手はしますが最初はかなり勇気が必要です。
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    これにより茎はほぼ無傷のまま葉もトゲも取れます。植物が水分や養分を吸い上げる器官を導管といいますが、バラはこの導管が茎の表面に近いため、傷だらけの茎は水の上がり具合がよくありません。穴だらけのストローだと水が吸いずらいイメージです。このあとに取りきれなかったトゲの先端や、葉の裏側に付いている細かなトゲをナイフで軽く取り除きます。
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    さらに切り口をナイフで斜めにカットします。真っ直ぐにカットするより導管の断面積が広がるため、より多くの水分を上げられるのです。綺麗な切り口にするための作業なのでナイフはあらかじめ除菌しておきます。
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    ここが最大のポイントでしょうか、バラは新しい切り口に自己防衛の為に薄い皮膜のようなもの(人で言う初期のかさぶたのようなもの)を張ります。その時間わずか3秒!したがってナイフでカットしたら3秒以内に水につけます。ちなみにこの水には栄養剤が入っています。新鮮な切り口から栄養たっぷりの水分をたくさん吸い上げられるという事です。
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    この3秒ルールを取り入れてからバラの日持ちが格段に上がったような気がします。なのでお客様にもオススメしています。昨年の12月26日に市場で仕入れた内田バラ園さんの「アプラディル」は3秒ルールのお陰か、ただの偶然か、花持ち2ヶ月を記録しました。内田さん本人もビックリの2ヵ月後のアプラディルがこちら・・・
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    尊敬する薄木健友さんの「切花の水揚げと鮮度保持に関する講習会」に参加して以来、のはなではちょっとした意識改革が起こっています。どうすれば切花を長持ちさせることができるのか?それをどのようにお客様にお伝えしていくか?という当たり前の事を今まで以上に考えるようになりました。そしてこの鮮度保持への取り組みは、突き詰めていけばいけばいくほど、業界では当たり前のように浸透している「切花5日の日持ち保障」でさえ生ぬるく感じてしまうのです。ということはやはり、切花が長持ちすることでのお客様の満足感と、そこから得られる信頼の為に、この鮮度保持の考え方や取り組みは競争力のひとつとなるはずです。さらに、この取り組みは小売店のみならず、種苗会社、生産者、流通、花卉市場など、切花に関わる全ての人達の足並みが揃わなければなりません。たとえば、そもそも意識の低い生産体制であったり、高品質の商品であっても輸送時点で品質低下したり、情報共有や差別化を行わずに販売してしまったり、誰かが頑張っても何処かで足を引っ張られては、まとまるものもまとまりません。すべてはお客様の満足のために、その追求こそが花卉業界の成長だと思うのです。

    最後に本日入荷した内田バラ園さんの「ピンクレディブル」をご紹介。咲き進んでからの花形がとても綺麗です。すばらしい品種選抜です!
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