・・・2017.07.19更新
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そういえばJA甘楽管内でトルコキキョウを作っておられ、川越市場にも出荷されているコサージュ会員の中澤英一さんが前日の会に遅れて登場。すごく真面目な良い方で、ついつい話し込んでしまいました。2日目は中澤さんの車で2軒だけご一緒させてもらいました。
1軒目、千曲市力石の宮原さんのハウス、なにわ花市場と世田谷市場に出荷されているそうです。奥から宮原さん、中澤さん、関根くん
見よ!このサイズ!これがトップクオリティのコサージュ仕立てです!品種は「フウガ」
思わず食べてしまいたくなる「シュガー」
中曽根さん曰く「超難しいから作らないほうがいい」とされる「フェゴ」を作りこなせる宮原さんはさすがです。
ハウス内で従業員の方が芽欠き作業をされていました。コサージュ仕立ては1茎1花に仕立てるため、素性の良い芽を残して余計な芽を欠く作業はとても神経を使い、膨大な時間と労力を要します。取引価格が高価なのも頷けますね。宮原さんありがとうございました。
続いて一行は今回の本丸、中曽根さんの育種ハウスへと向かいます。
ハウスの中は試作品がずらり、全国から集まったコサージュ会員が中曽根さんから品種特性など生産者向けの説明を受け、次はどんな品種をつくろうかと想いを巡らせる場。みなさん真剣です。
そんな中、気に入った品種をご紹介します。クラシカルな色合いの「アッシュ」
「ユーズドミントガム」噛み終わったミントガムですって。もうちょっといい名前がいいですね。
「スモーキーブルー」紫でもラベンダーでもない絶妙なネーミングがピタリと当てはまった感じ。
「ハーレイクイン」こいつの紫バージョンで「ジョーカー」という品種があるのですが、ああそういう事か(笑)映画「スーサイド・スクワット」に登場し、バットマンの宿敵「ジョーカー」にメロメロなのが「ハーレイクイン」だからでしょうか。
「N2フリンジ:バオレット」と「N4フリンジ:ラベンダー」花弁の中心が開かない品種は花屋さんの好みも分かれそう。
「ラビリンス」花形が素晴らしい。どこから見てもまん丸。
「ワーロピンク」こんなに素敵なのに販売検討中ですって。
まだまだたくさんの品種があったのですが、もう正直違いが分からない(汗)ですがどれも素晴らしい品種でした。中曽根さんありがとうございました。
一行は上山田ホテルへ戻り、中澤さんとはここでお別れです。中澤さんありがとうございました。中澤さんのコサージュも楽しみにしています!(つづく)
・・・2017.07.18更新
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トルコキキョウといえば複数枝分かれした茎にたくさんの花や蕾をつける花として、ほぼ1年中お花屋さんで手に入る花ですね。このトルコキキョウを少し変わった方法で生産されている方達がいます。
長野県の育種家、中曽根健氏が育種した大輪フリンジ系トルコキキョウを、1茎1花に仕立てる「コサージュ仕立て」という技法があり、トルコキキョウの生産高品質化を志す全国の「コサージュ会員」に属する生産者さん達により生産されています。
1枝に1輪とすることで、栄養が1輪に集中し、表情豊かで大きな花を咲かせます。さらに畑で咲かせてから摘み取り、出荷するため、花首が硬くなり、大輪でも垂れない。なおかつ通常のトルコキキョウに比べて花持ちが格段に良いという特徴があります。
前振りが長くなりましたが、全国のコサージュ会員さん達が一堂に会し、中曽根氏の育種した新作を見学したり、情報交換を行う集まりが先日、千曲市の力石で行われ、川越市場のセリ人である関根くんと一緒に行って参りました。
しかしせっかく長野県まで行くのにトルコキキョウだけではもったいない・・・ということで、日ごろから川越市場に出荷されている生産者さん何件かをルートに組み込んでみました。
7/6(木)10:00に川越市場を出発。圏央道の川島ICから関越、上信越と乗り継ぎ約2時間、長野県は佐久市に到着。ここではアルストロメリアを生産されている工藤誠一さんのハウスを目指します。
少し迷いましたが無事に到着。アルストロメリアのハウス見学は初めてです。工藤さんちのアルストロメリアは1箱に30本入りとお求めやすく、のはなでも随分お世話になっています。少数精鋭で営農されており、今年は除湿問題などでご苦労されていましたが、春以降は安定したクオリティをキープしています。現在は改植シーズンで出荷量も減っていますが、ほぼ周年で出荷されています。
ハウス内を見学、工藤さんの生産品目では個人的に1番好きな「ドルチェビータ」上品な色合いで、割とどんな色合わせにも使えます。
続いて「デコラ」割とボヤ~っとした色あいが多いアルストロメリアの中でもこの品種は締りがあって好んで使います。実は工藤さん曰くこの2品種はあまり人気がないとのこと。よくある事なのですが、のはな的に好きな色合いの花は一般の花屋さんには人気が無い事が多いです。
こちらみんな大好き「オデオン」はセリにかかる前に売り切れる事が多く、欲しい時はあらかじめ関根君に根回しをしないといけません。
「黄色の良い品種がない」とぼやく工藤さんが新たに試みている品種がこちら
個人的には既存の「エストラーダ」の方が発色よく好きなので、やめないでほしいところ。
日差しは強いのにカラッとした陽気、ときおり吹く風はヒンヤリ、さすが高冷地といった感じ。工藤さんありがとうございました。
千曲市までは佐久から1時間くらい、途中で小諸市を通過するので急遽寄り道。多肉植物のパイオニア「錦玉園」さんにおじゃましてしまいました。(品種が特定されないよう画素数落としてます配慮)
先代から、もうかれこれ50-60年くらいたつのでしょうか?多肉植物がブームになる20年くらい前までは川越市場にも出荷がありましたね。1ケース内で決して品種が被らない至極のアソートはまさに「多肉の宝石箱」でした。現在は販売規模も縮小ぎみですが、日本はもとより海外からもマニアが足を運ぶ聖域です。最近では多肉生産者さんも増えて喜ばしい一方、マニア垂涎のレア品種がネットで取引される中で品種の混雑や紛い物の流通、窃盗の被害などもあり、園主の2代目児玉さんも嘆いておられました。個人的に長年探し続けている多肉「ユーフォルビア:オベサ」伺ってみたところ雌株不足で販売品はありませんでした。残念。
さて時計を見ればすでに17:00を回っていました(汗)
中曽根さんちの圃場を見るという本日のメインイベントは明日にまわして、コサージュ会の親睦会の会場へと急ぎます。会場は上山田温泉の上山田ホテル。懇親会の参加者は70名弱、コサージュ会員さん達がほとんどでした。
市場関係者は6社7名で、小売りに至っては自分のみという・・・関根君の挨拶にただ一人耳を傾ける中曽根健さん(笑)
川越市場には残念ながら注文以外でトップクオリティのコサージュ系トルコキキョウが入荷することはあまりありません。セリ価格でユリの女王カサブランカと同等の価値があるコサージュ系トルコキキョウなので生産者も出荷する市場を選びます。しかし、ただ手をこまねいていても仕方ないのでお酌しながら招致活動に励みました(汗)ベテランから若手まで、いろんな話を伺えてそれなりに意義のある会でした。<つづく>
・・・2017.06.10更新
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外国のどこか、田舎のとある集落のはずれ、昔の人達はなんでも自分達でやったもんだ!もちろん塀だって自分で作るぜ!切り出した石を積んで漆喰を塗って化粧!どーだい!なかなか綺麗に出来たぜ!いつだったか馬車の荷台が勢いよく塀にぶつかってよー!塀が少し壊れちまったからそこいらにあった石を適当に積んだんだよ!ガハハハ!
あれからもう100年も経っちまった・・・今じゃこの村もすっかり人が居なくなってよ!廃墟だらけだぜ!そう言えばあの塀、せっかく積み直した箇所もまた少し崩れちまってよう・・・すっかり野ウサギの楽園になっちまったようだぜ!ガハハハ!
と、そんなストーリーがここにはあります。
以上!お疲れさまでした!
before
after
・・・2017.06.07更新
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いよいよモルタル造形の花形である着色工程に入ります。まずは1層目、着色は薄く、薄く塗り重ねるのがポイントです。
濃度やカラーを微妙にかえて、この枕木だけで5~6層も塗ることで色彩に奥行きが出せるのです。
擬石やプラスターは、真新しかった新品当初の状態を再現した後、経年変化を感じる風合いにワザと汚していきます。この手法は「エイジング」などと呼ばれます。エイジングは適当に汚すのではなく、自然に汚れた感じを目指さなければなりません。たとえば人の手の位置に近い箇所は手垢がつく「だろう」とか、地面に近い箇所は雨の跳ね返りで汚れる「はず」といったように、偶然に出来る汚れや経年変化を意図的に作り出すのです。しかもそれは一目で気づかないくらい、さり気なくおこなう事で、よりリアルに近くように感じます。
エイジングの手法を少しご紹介。ハケで大胆に色を乗せ、霧吹きでウォッシュし・・・
布でサッとふき取る。
立体感を出すために陰影を意図的に付けます。擬石と擬石の隙間をグレーでほんのり色付け。
こうした地道な作業を繰り返してようやく完成を迎えます。
そう考えるとディズニーの造形はエリアごとにテーマも違うし、なにより規模がハンパない!その労力たるや、さぞかし大変だったろうなぁ・・・
天気も良く、乾燥も早かったので、翌日にやろうと思っていたトップコートも塗れました。これにてモルタル造形は完成です。明日は植栽とデコレーションです。
・・・2017.06.06更新
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モルタル造形の完成まであと2工程です。
最終の色付け作業の前に全体の「ベース塗装」をおこないます。メイクなどで使うドーランのように、このあとの着色をしっかりと見せるためです。ただドーランと違って下地の凹凸を埋めたりはしません。真新しい塗り絵のような状態にするといったところでしょうか?
裏側もしっかり作り込み、塗り込みます!
着色前のたった1日しか見ることのできない貴重な光景です。
明日、造形に命が吹き込まれます・・・
・・・2017.06.05更新
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プラスターとは、石灰や石膏などをを主材料とした塗装材料で、外壁などの仕上げ剤などに使われます。
前日までに作った擬石や擬岩はあくまでプラスターの土台であり、当初はプラスターで仕上げたけど、経年変化でプラスターが剥がれ落ち、下地の擬石や擬岩が露出したという設定です。
仕上げで塗った設定なのにこのラフさ!だけどこれでいいんです!家の主が日曜大工の感覚で石を積み、適当に仕上げ剤を塗ったという感じを目指したのですから。
つづいて前日に作った擬木に節が入りました。年月が経って節が取れそうなくらい収縮した感じを再現です。
そういえばウサギさんの通る抜け穴ですが、積んでいた石が崩れて出来た穴という設定です。ということは崩れた石がそこいらに落ちている方がストーリー的には厚みが増しますね。
そんなわけで落石を・・・
近所の子供達!学校帰りに蹴飛ばさないでね!足が折れるよ~(笑)
明日は地味ですが着色前の下塗りです。
・・・2017.06.05更新
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前日におこなった下地にざっくりと下書きをしていきます。
デザインで言うところのこの部分・・・
まずは大胆にモルタルをのせていきます。
使用しているモルタルは造形用の「ギルトセメント」です。チキソ性が高く、造形に適しています。
つづいて擬石のアタリをつけていきます。水平器をつかって慎重に・・・
縦にもアタリをつけます。
人の手でラフに石を積んだ感じを出すため、部分的にモルタルを盛って立体感を出します。
造形用のヘラやブラシなど様々な道具をつかって、クラックや欠け、ヘコミなどをリアルに作りこんでいきます。
こちらではせっかく仕上げた下地に、なにやらグラインダーで研削しています。今回主役のウサギさんも様子を見ています。
そう!ここはデザインで言う所のこの部分・・・
塀からガーデンに抜けるウサギさんの抜け穴です!
完全に貫通はしませんが、そこそこ深い穴になります。こちらも造形開始です。
モルタル造形にはディティールへのこだわりが求められます。観察眼と再現力、そしてなぜこのデザインに至ったかのストーリー性なども重要な要素です。(それはまたのちほど・・・)
疑木も出来上がりましたね。
夕焼けに照らされた造形は、このままでもステキです。本日はここまで、明日はプラスター部分に入ります。
・・・2017.06.03更新
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ディズニーワールドを訪れた方は必ず目にする古びた壁や、経年変化を感じる塀・・・実際にレンガや石を積んだりした訳ではなく、まっさらな壁や塀などに新しく(しかも古びた感じに)作る、云わばフェイク。ディズニーワールドの世界観を演出するうえで欠かせないこれらの造作を「モルタル造形」と呼びます。
擬木や擬石、ブリック(レンガ)やプラスター(仕上げ塗り)など、特殊なセメントを使い、クラックや欠けなど細部にいたるまで本物そっくりに作り上げる、そんな事をこの現場でやろうと思います。
まずは造作前の下地作り、壁を洗浄したあと、耐アルカリ性ネットを圧着させ、この上に造形を施します。アルカリネットが繋ぎとなり、造形のヒビ割れ抑制になります。
最後に筋目を入れて終了。この筋目のお陰でこの上に乗る造形の付きが良くなるのです。
本日はここまで、下地の硬化を待たなければならないので、連続作業が出来ないのです。
明日はいよいよ役物(やくもの)の造形です。ここで言う役物とは造形の中で特に手の込んだ箇所を差し、今回で言えば擬木、擬石、擬岩となります。
・・・2017.06.02更新
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フェンスというものは空間の間仕切りである、という固定観念を取り払う事で、これから作る世界観に奥行きが出るだろうと感じました。
というわけで空間の間仕切りである既存のメッシュフェンスを取り外します。
防犯上の問題などもありますが、これだけでグッと懐が深くなります。というかこれから出来上がるメルヘンな空間にメッシュフェンスは違和感があるというのがお施主さんと一致した意見です。
今回取り払ったメッシュフェンスはとりあえずエコキュートの室外機まで。お施主様も最後までエコキュート室外機の移設を検討されていましたが今回は見送りました。
メッシュフェンスを外して感じるのが家の外壁の面積の広さ、のっぺりとした印象の外壁前に、あえて機能目的ではないデザインフェンスを建ててアクセントをつけます。これまたフェンスの固定観念の向こう側といったところでしょうか?
家の基礎とのカラミで予定より少し前に出てしまいました。裸地が少ないですが最終的にここは植栽をします。
埋め戻してフェンス工事終了です。
次回からはいよいよ今回の工事の本丸「モルタル造形」です!