・・・2015年08月29日更新
「ユリの花びらは何枚でしょう?」
普通の人はパッと思い出せないかもしれません。
お花屋さんや花卉市場、生産者の人なら99%の人が「6枚だろ?バカにするな!」と答えるでしょう。
面倒くさいのですが正解は3枚です!!
ユリの花を正面から見てみましょう。三菱のマークが前後に重ならないように並んでるの判りますか?
内側の3枚が花片、後ろの3枚がガク片です。ガクはおおまかにいえばツボミの時に花片を覆う外皮です。
ユリのガク片が花片を覆っている画像がこちら
チラリとめくれたガク片の中に確かに花片がありますね。しかし一般的にユリのガク片は花びらの一部とされているので「花びら6枚」でOKです。
「では雄しべの数は何個でしょう?」
安心してください!6個です!
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今日は素敵なユリを紹介しようと思ったのですが、せっかくなのでもう少し深くいきます。
ユリはよくアルファベットで簡易表記されます。
A・・・アジアティックハイブリッドは、いわゆるスカシユリです。
L・・・ロンギフローラムハイブリッドは、いわゆる鉄砲ユリです。
O・・・オリエンタルハイブリッドは、カサブランカなどに代表される大輪芳香のユリです。普通に「オリエンタル」の名で流通します。
T・・・トランペットオーレリアンハイブリッドは、アジア産の鉄砲ユリが元になった交配種で、花色が豊富です。
※本当はまだまだありますが割愛
しかしここで終わらないのが人類!鉄砲ユリ(L)とスカシユリ(A)を交配させ、LAリリーなんてものを作り出しました。これは鉄砲ユリの花形とスカシユリの豊富な花色が良く出ている傑作です。
さらに鉄砲ユリ(L)とオリエンタル(O)を交配させ、LOリリーなんてのも作ってしまいます。これはオリエンタルの芳香と鉄砲ユリの小ぶりな花形が良く出ていて、その特性やサイズなどから、生産者の梱包輸送にかかるコストを抑えられることから今後期待が高まっている種類です。
さらにオリエンタル(O)の芳香と、幅広い花色を持つトランペット系(T)を交配させたOTリリーがあります。OTリリーといえば「イエローウィン」や「コンカドール」などの黄色/オレンジ色が主流ですが、白系も多少存在します。
シルクのような艶に、ほんのりシルバーがかった花色はとても上品で、個人的にはカサブランカを越える逸品です。最初の画像はオリエンタルのシベリアという品種なのですが、花びらに乳頭状突起というブツブツがあるのが判りますか?ザンベジにはこの乳頭状突起がなく、美しい花弁もまた魅力です。
よく市場でのセリ中に、聞きなれない品種のユリが登場すると、花屋さんから「それオリエンタル?」などとセリ人に質問が飛びます。たいがいは「オリエンタルです!」というセリ人の回答で終わってしまうのですが、「オリエンタルとトランペットオーレリアンの交配種です!香りもよくて花びらもシルクみたいに綺麗ですよー!」くらい言えば少しは相場も良くなると思うのは僕だけでしょうか?