• 麗しのディスバッドマム

    ・・・2022年11月10日更新

    JA八戸まべち営農センターよりディスバッドマムが入荷しました。とにかく1輪が大きく、訪れるお客様みなさんが感心されます。

    このブログでは繰り返しになりますが、菊は栽培時に放っておくと脇芽が多数出現します。この脇芽を放置しておくとやがて蕾を付け、小菊やスプレー菊のように何輪もの花を持つ姿になります。ところがこの脇芽(英語でbud=バッド)を除去(英語でdis=ディス)して1輪に全ての栄養を集中させることによりディスバッドマムが出来上がるのです。(ピンポン菊と呼ばれるものも同じ理屈です)しかし脇芽を除去する手間や時間などコストもかかり、安定した生産をして頂くには、それに見合った対価を生産サイドにお支払いしなければなりません。従ってこういった背景を鑑み、花卉市場は真面目に競売をし、我々花屋は適正に仕入れて、適正または付加価値をつけて販売しなければいけないと思うのです。

    もう20年以上前、花屋4店舗の統括でバイヤーをしていた時は「市場ではとにかく値切ってなるべく安く仕入れて、お店では手頃な価格で販売する」と言うことが当たり前で、およそ生産サイドのことなんか考えもしなかったのですが、独立して色々な生産者さんの元を訪れるうちに意識も変わりました。それはつまり安売りが、良い花卉生産の好循環を阻害する害悪となりうるのではないかという事です。

    もちろんエンドユーザーにとって花は安いに越したことはないと思います。安売りを頑張る花屋さんも否定はしません。ただ今後、良い花は安く買えない時代となる事は間違いありません。なぜならそれは花の本質に関わるからです。この辺の話題はまた今度にしましょう。