• 源流釣行④いざ入渓!

    ・・・2023年09月14日更新

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    昨年の冬に父が亡くなりました。

    父が30年以上前から足繁く通ったこの只見町は、昭和30年代に田子倉ダムの建設工事に沸き、ダム建設作業員や、その方達を支える飲食店などで賑わいを見せましたが、ダム完成とともに人口も減り、すっかり田舎としての落ち着きを取り戻しています。映画館やボーリング場があったなんて今ではとても信じられません。

     

    もともと釣り好きだった父は、初めはほんの偶然で訪れた只見町に一瞬で魅了され、民宿「やまかのうや」を定宿拠点に八十里越周辺の沢を幾度となく、それもほとんど単独で訪れてきました。

    徒歩で片道2時間半、宿から沢までの道のりは遠く、しかも車両通行止めの工事区間なので、早朝の工事開始前を狙い、初めの頃は宿から歩きで、そのうち自転車を持ち込むようになり、やがて宿からバイクを借り、宿の人と家族のような間柄になる頃には車で送り迎えをしてもらえるようにまでなりました。そうそう、地元の方たちは山菜取りなどで山に入るため、車両通行OKなのです。僕も今回同伴のNさんも初期の頃から父のお供をしてますが、只見とのコネクションを築き上げてくれたのは間違いなく父でした。

    そんな父が亡くなる前に「骨をまいてほしい」とまで言って愛したのが今回入渓する「木の根沢」です。

     

    狭山市を出て只見町に着いたのが深夜12:00前、そこから少し仮眠を取り、支度を整え出発です。今回、行きは宿の人に送ってもらいますが、帰りは自転車です。なのでNさんと自転車を荷台に積んでいきます。

     

    雪崩避けの「スノーシェッド」を通過、訪れるたびに建設が進んでいる様子が伺えます。

     

    いつも思うのですが開通前の道を通行できるなんて貴重な体験です。

     

    木の根沢に到着です。が、思った以上に水量が少ないです。

     

    入渓前、「これが最期になるかもしれないから」と宿の人に脅されて記念撮影(

     

    GPSアプリを起動してスマホ自体は機内モードにします。これは圏外なのにスマホが通信を試みようとして余計なバッテリーを消費してしまうのを防ぐためです

     

    さぁいざ入渓!もういかにも熊が出てきそうな藪エリアです(汗)

     

    ブナの森を歩いて進み、ロープで急斜面を降ります。

     

    水量はとても少ないのですが、ちょっとした深みでは早くも魚影が見られたので、普段はあまり竿を出さない序盤から釣り開始です。しかしアタリは全くなし!考えられるのは、①水量が少ない→②泳げるスペースが少ない→③運動不足→④なのでお腹が減らない、もしくは少ない水量なので餌が集約するため食うに困らない。と自分たちを慰めます。

     

    「今日はダメかも・・・」と諦めかけたところにようやくHIT!綺麗な天然のイワナです。

     

    天気も微妙なので探りもほどほどにサッサと進みます。

     

    木の根沢における中盤の山場、通称「二段滝」の手前ですがイワナ君たちは満腹なご様子。

     

    かつて30cmオーバーを何本も釣り上げた2段滝に差し掛かったところで大雨となってしまったため、断腸の思いで納竿・・・急な増水で命の危険に晒される前に急いで帰路に着きます。ある意味で徹底的に臆病でなければ沢登りはやめた方がいいかもしれません。

     

    結局この日釣り上げたイワナは二人合わせて7本でがっかり。20cm以下のちびっこ達も何本か釣りましたが、来年のためにリリース。道中、目視で確認した良型のイワナの魚影は50匹はくだらなかったので悔しい1日でした。まぁ来年に期待です。

    このように今は極めて入渓者が少ない八十里越一帯も、道路が開通すると荒らされ放題になると予想されるので、自然のためには開通が遅れることを望む一方で、交通インフラ的には急務であるというジレンマに亡くなった父はいつも思いを馳せていました(よそ者なのに・笑)

    つづく