• 長野県生産者まわり①

    ・・・2017年07月18日更新

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    トルコキキョウといえば複数枝分かれした茎にたくさんの花や蕾をつける花として、ほぼ1年中お花屋さんで手に入る花ですね。このトルコキキョウを少し変わった方法で生産されている方達がいます。

     

    長野県の育種家、中曽根健氏が育種した大輪フリンジ系トルコキキョウを、1茎1花に仕立てる「コサージュ仕立て」という技法があり、トルコキキョウの生産高品質化を志す全国の「コサージュ会員」に属する生産者さん達により生産されています。

     

    1枝に1輪とすることで、栄養が1輪に集中し、表情豊かで大きな花を咲かせます。さらに畑で咲かせてから摘み取り、出荷するため、花首が硬くなり、大輪でも垂れない。なおかつ通常のトルコキキョウに比べて花持ちが格段に良いという特徴があります。

     

    前振りが長くなりましたが、全国のコサージュ会員さん達が一堂に会し、中曽根氏の育種した新作を見学したり、情報交換を行う集まりが先日、千曲市の力石で行われ、川越市場のセリ人である関根くんと一緒に行って参りました。

     

    しかしせっかく長野県まで行くのにトルコキキョウだけではもったいない・・・ということで、日ごろから川越市場に出荷されている生産者さん何件かをルートに組み込んでみました。

     

    7/6(木)10:00に川越市場を出発。圏央道の川島ICから関越、上信越と乗り継ぎ約2時間、長野県は佐久市に到着。ここではアルストロメリアを生産されている工藤誠一さんのハウスを目指します。

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    少し迷いましたが無事に到着。アルストロメリアのハウス見学は初めてです。工藤さんちのアルストロメリアは1箱に30本入りとお求めやすく、のはなでも随分お世話になっています。少数精鋭で営農されており、今年は除湿問題などでご苦労されていましたが、春以降は安定したクオリティをキープしています。現在は改植シーズンで出荷量も減っていますが、ほぼ周年で出荷されています。

    ハウス内を見学、工藤さんの生産品目では個人的に1番好きな「ドルチェビータ」上品な色合いで、割とどんな色合わせにも使えます。

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    続いて「デコラ」割とボヤ~っとした色あいが多いアルストロメリアの中でもこの品種は締りがあって好んで使います。実は工藤さん曰くこの2品種はあまり人気がないとのこと。よくある事なのですが、のはな的に好きな色合いの花は一般の花屋さんには人気が無い事が多いです。

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    こちらみんな大好き「オデオン」はセリにかかる前に売り切れる事が多く、欲しい時はあらかじめ関根君に根回しをしないといけません。

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    「黄色の良い品種がない」とぼやく工藤さんが新たに試みている品種がこちら

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    個人的には既存の「エストラーダ」の方が発色よく好きなので、やめないでほしいところ。

    日差しは強いのにカラッとした陽気、ときおり吹く風はヒンヤリ、さすが高冷地といった感じ。工藤さんありがとうございました。

     

    千曲市までは佐久から1時間くらい、途中で小諸市を通過するので急遽寄り道。多肉植物のパイオニア「錦玉園」さんにおじゃましてしまいました。(品種が特定されないよう画素数落としてます配慮)

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    先代から、もうかれこれ50-60年くらいたつのでしょうか?多肉植物がブームになる20年くらい前までは川越市場にも出荷がありましたね。1ケース内で決して品種が被らない至極のアソートはまさに「多肉の宝石箱」でした。現在は販売規模も縮小ぎみですが、日本はもとより海外からもマニアが足を運ぶ聖域です。最近では多肉生産者さんも増えて喜ばしい一方、マニア垂涎のレア品種がネットで取引される中で品種の混雑や紛い物の流通、窃盗の被害などもあり、園主の2代目児玉さんも嘆いておられました。個人的に長年探し続けている多肉「ユーフォルビア:オベサ」伺ってみたところ雌株不足で販売品はありませんでした。残念。

     

    さて時計を見ればすでに17:00を回っていました(汗)

    中曽根さんちの圃場を見るという本日のメインイベントは明日にまわして、コサージュ会の親睦会の会場へと急ぎます。会場は上山田温泉の上山田ホテル。懇親会の参加者は70名弱、コサージュ会員さん達がほとんどでした。

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    市場関係者は6社7名で、小売りに至っては自分のみという・・・関根君の挨拶にただ一人耳を傾ける中曽根健さん(笑)

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    川越市場には残念ながら注文以外でトップクオリティのコサージュ系トルコキキョウが入荷することはあまりありません。セリ価格でユリの女王カサブランカと同等の価値があるコサージュ系トルコキキョウなので生産者も出荷する市場を選びます。しかし、ただ手をこまねいていても仕方ないのでお酌しながら招致活動に励みました(汗)ベテランから若手まで、いろんな話を伺えてそれなりに意義のある会でした。<つづく>